10冊目読了 左砂右
左砂右です。10冊目を読了
・ページ数309
・累計ポイント
391+309=700
本
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/04/01
- メディア: 文庫
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2LDKマンションで共同生活する、男女4人の若者達。1人はふぬけの大学生、1人は恋人からの電話待ちでごろごろしてるニート、1人は大酒のみのイラストレーター兼雑貨屋店長、1人は健康オタクの映画配給会社勤め。四人ともどこかしらにはいそうで、あまりいないくせのあるキャラでなかなか好きになりました。その四人の生活に新しく男娼をしているサトルが加わって話は進むんですが、この人も空き家に入り浸ってその家でささいな悪戯をして去っていく癖がある、やっぱり変なやつです。そういう5人の起伏のない生活が5人の視点から5章に分けて描かれます。
感想を言うと、悪くはないけど、そんなに読みたくなるほど好きにはなれませんでした。「それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、’本当の自分’を装うことで優しく怠惰に続く共同生活」だそうですが、そういうものに違和感がない人にとってはあっそうって感じで、特に悲しくもないし、嬉しいこともないし、起伏がないまま終わるので。だるくはないのですが、これといって惹きつけられるところもなかったです。解説曰く、こわいそうですが、人それぞれでしょうがそんなにこわい小説ではないと感じました。これくらいの無関心、逆に気遣いは、だれでもできそうです。あまりこわさを押し出すと、逆にそんなこわい状況に甘んじている登場人物たちにリアリティがなくなって、この種の恐怖もなくなると思います。読まないと何言っているか分からないと思いますすみません。
いろいろ言いましたが、絶賛するほどじゃないんじゃないかってことです。文章も上手で、キャラクターの作り方もいいし面白いところは面白いので、作家としては好きになりました。
11冊目は「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」萬屋 直人です。
昔興味があったのでこの機会に読めて嬉しいです。