十九冊目 sotih

09sotihです。

・時刻 12:37
・読了した本

新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)

新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)

・ページ数 238

・累計ポイント 277+238-390(エビフィレオ)=125

・読了した本の感想を簡潔に

建築家・隈研吾とジャーナリスト・清野由美の五年にわたる都市歩き対談集。
汐留、丸の内、六本木ヒルズ、代官山、町田を彼らが回りながら行った対談と、隈研吾のイントロダクションが合さった五章に北京でのエピローグが付随している。

東京の都市計画における「成功」と「失敗」を、隈研吾が建築家=作り手の視点から、清野由美が利用者=使い手の視点からそれぞれ分析している。
日本の都市計画が「成功」し難い理由として「都市開発が企業対企業の層で行われることによって建築家がリスクマネージャー化している」ことを挙げる視点は非常に一般的なものであり、失敗の実例を挙げてそれを説明した入門書である。

廻ったルートを示す地図や写真が少なく、建築・都市関連の書物として不適切であること、及び対談の日時が記されていないので、現在の都市状況との正確な比較が不可能であることが難点。

「知る人ぞ知るを知ることの受け皿こそが、本来の都市であり街であったはずである」という隈の言葉が心に残った。


次の本は村上春樹風の歌を聴け
……実はハルキ初読だったりする。