七冊目読了 sotih

09sotihです。

・時刻 17:00

白痴 (新潮文庫)

白痴 (新潮文庫)

・ページ数 

・累積ポイント(累積ページ数-消費ポイント) 1074+253-50(トイレ)-79(ラスク)-11(ブラックブラック)=1187

・読了した本の感想を簡潔に

一篇目。作品に通底する虚無感に嫌悪を覚える。
二篇目。意図された悪文に拒否反応が起こり始める。
三篇目。短編の企図が理解できず困惑する。
四篇目。思考の澱みを肯定しだす。
五篇目。絶望に絶望しなくなる。
六篇目。文章を受容しきる。
七篇目。堕落に陶酔する。

第一短編(『いずこへ』)と第七短編(『青鬼の褌を洗う女』)を読み終えた後の印象がこれほどまでに変わる本を初めて知った。最初の嫌悪感が嘘のように消え去り、読了後に残ったのはニヒリズムの甘美さのみである。纏わりつく虚無感は同一で、その奥にある安吾の主義も(恐らくは)同様のものであるにもかかわらず、それから受け取る感情が大きく変わったことは、私の感受性の改変によるものに他ならない。書を読む行為による最も強烈な原体験のひとつを今再び得ることが出来た価値は、私にとって限りなく大きい。
一人称、あるいは主人公に近しい三人称で描かれる人物たちの厭世的でありながら生へと執着するある種異様な価値観と、ほぼ全ての短編で登場する厭生的に死を仄めかす者たちの価値観との対立が興味を惹く。「堕落しながらも、生きつづける」ことこそ、安吾の主義なのだ。敗戦直後の頽廃した日本において、この主張が如何なる感情を人々に湧きあがらせたのか、直接的に把握する術は無いにせよ、知りたいと強く願った。




八冊目は「ダークサイドを歩け」
……六冊目のBL入門書をキッチリ伏線として回収させてくるあたり、トランプの神様もなかなか粋な方なのでしょう。

注:現在本選びのくじ引きはトランプを用いて行われています